職業訓練校(技術専門校)の思い出

思い出の技術専門校

技術専門校

↑画像は私がお世話になりました、足立技術専門校です。
現在は名称も変わり城東職業能力開発センターというようです。

もう10年以上が経ちますが今思い出しても、これほどまでに集中して学んだ1年はなかったです。
勤めていた会社を辞め、人生の再出発をかけて技術を学ぶわけですから、そりゃ真剣にもなりますが・・
たった1年という短い時間の中で木工技術に関する「先人の経験、知恵、技術」を凝縮して教えてもらえる。・・
大変に貴重な体験をさせて頂きました。
今でも教わったことは自分の木工作業の中で大部分を占めています。
大切な宝です。

職業訓練校に入るには

訓練校は今、制度も変わって入校には費用もかかるようですが、当時は入学金、授業料全て無料、工具はもちろん貸して貰えますし、生活面でも失業保険まで支給されるという至れり尽くせりのシステムでした。

入校するには木工科の場合4月になりますので、
その前までに会社は退職していなければなりません。

さぁさぁ・・
入校を決意したみんなは長年勤めていた会社を辞めることになるんですね。
周りから「辞めてどうするんだ?」と「木工???なんでまた???」
その時きっと嫌になるほど聞かれたと思います・・・
自分がそうでしたから・・

それとですね。筆記試験と面接があります。
試験!
そうなんですよ。受付順だと思っていた私は甘かったです。
私が入校した時の木工科の応募倍率は約4倍でした。
けっこう人気あったんですね木工科。
というか一番人気があったと記憶しています。
当時、木工って流行っていたのでしょうか?

当日は受付を済ませぞろぞろと試験会場になだれ込んでくる
その人の数!数!!
「えーっ、こんなにいるの!みんな木工・・・・???」
「本当にみんな木工がやりたいの??これ??」
その人数の多さだけでも圧倒されていまいました。

実は、自分でもよく合格したなぁ・・なんて思っちゃいましたから(笑)
だって筆記試験には
方程式、ルート計算、関数、座標・・・
もうそんなのとっくに忘れちゃってますよね。あっ、自分だけか!

だからね。。
思ったのです。自分が合格したという事は
やっぱり選考には筆記試験はあまり関係なかったのか!・・(笑)
ホントのところ分かりませんが・・・

大切な税金を使わせてもらってるんだからな!まじめにやれよ!!
話が外れますが、実技作業中も先生が良く云ってました。
「みんながんばれよ!ただじゃないんだからぁ・・・」って・・・
このフレーズは先生のお得意で結局卒業までつぶやいていました・・・

いくつかの関門を乗越えて晴れて入学した時、木工科クラス人数は30人でした。
年齢も18才~上は50代まで。出身も前職も個性もバラバラの人間がある日突然一緒のクラスで学ぶわけですから、これが面白くないわけありません。
人間ドラマですよね。こりゃ・・

「前職もバラバラのみんな」と云うけれど、ちょっとだけ、一緒に学んだみんなの前職、紹介しますね。

歯科医院勤務、建築設備工事施工管理、ゲーム機器の製造、自動車整備、建築設計、雑貨販売、ISOの役員、塗装、装飾、購買・経理、イベント、小売業
などなど・・・
こんな感じです。もちろん男女もバラバラです。

毎日(月)~(金)まで
朝は9時05分から夕方16時45分までびっしりと授業があります。
各、科目について学科試験、実技試験もあります。
卒業には「技能照査」もありますからね。気を抜けません!

始めて手にした教科書・道具など・・

技術専門校の教科書
私が使っていた教科書です。
というか・・今でも使っています。

技術専門校の鑿
卒業まで貸してもらえる自分の道具です。1年間お世話になるわけです。
先輩が使っていたものなのですが、やたら短い鑿(のみ)や専門用語になりますが裏が全くない(ベタ裏)になっているもの、丸刃のもの、2段研ぎしてあるもの、色々です。
まぁ、そんなことは最初知りもしなかったです。

技術専門校   技術専門校
↑この教室で30人が勉強し、お弁当も食べます。

悩みました。研ぎ・・

研ぎ場
(↑この画像は当時のものではなく技能祭に行った時に撮影した最近のものです。)まぁ・・どうでもいいですね。
研ぎ場ですが、この「研ぎ」は一番悩ましくまた、奥が深いもので・・
カンナの調整もそうですが、木工をやるうえでは絶対避けて通れない一大課題です。

砥石の平面を出すことから始まって、最初は平カンナの刃、そしてむずかしい鑿(のみ)の研ぎ、さらに、超。超!むづかしい刃の裏押しまで・・・
本当にこの場所でどれだけ悩んだか(笑)

ある若い子が朝一番に研ぎ場でカンナの刃を研ぎだしたのですが、
それが、ずーと研いでいるんですよ。午前中は研ぎ場で終了。
午後も同じ場所につっ立ってずーと研いでいるんですね。

「あいつ何やってんの??」って先生も云ってましたが、さらにずーと研いでいるんですよ。
結局授業の始まりから終わりまでその場所で延々と立っていて
(でもたった1枚だけだったよ!たった一枚!同じ刃をずーと・・」
結局、研ぎで一日が終わってました。
ねぇ・・それって本当に研いでたの??

いやいや・・・・
刃物の研ぎ
(若い頃・・昔の画像です。真夏でした。ランニングに短パンで失礼します。)

作業台

あて台

訓練校での木材加工は座って行う「指物」スタイルです。
作業台は(あて板、あて台)とも云いますが加工は、この厚みのある作業台の上でほとんどを行います。
画像は余計なものが乗っていて分かりにくいですね。すみません・・・

このあて板。訓練校のものはナラの集成材を使ってつくられていたと思います。
厚みが75mmくらいあるものでかなりの重さです。
完璧に平面がでている台が望ましいですが・・・

あっ、思いだしましたよ!
この「平面。たいら」ってやつもかなり悩みました。
そんな事に!って・・ね。
でも大事なのです。

当時散々・・今でもか!
苦しみました。(笑)

あて板作業     あて板作業
またランニングに短パンで失礼します。この写真は自宅なのでTVが見えます。
部屋が狭いもので・・

あっ、作業台。学校から持って帰って来ちゃたんじゃないですよ!(笑)
自分のあて板です。卒業の時に購入しました。

木工機械を知る。

木工機械場
はじめて大型の木工機械を見た時はさすがにびっくりしました。
こんな大きいもので・・・・使えるようになるのかい???
音もでっかいですし。
でもね。
あんなに苦労して苦労して、やっとカンナで平面をだして、直角も決めて、
この作業に何時間、いや何日かけたと思っているのさ・・
それが、機械を使うと
あっという間じゃないですか!!
最初は本当にショックを受けました。
(でも本当は手加工にかなわないんですけどね。ある意味では・・今はそう考えていますが・・)
横切り盤
↑横ぎり盤ですが、でかいですよねこれ、でもこの機械がないと昇降盤にいちいち定規をセットして切らないといけないですからね・・・
縦引きはのこ刃を材料が挟み込んだりしたり、激しいキックバック(カットした材料のはね返り)があったりと結構怖いですが、横切りは好きだったなぁ・・
スパンスパンとカットできますね。切り口もスベスベで・・・・

自動かんな盤   角のみ盤
左は自動かんな盤です。これを使えば厚みがあっという間に決まります。
何度も云ってしまいますが、当時はショッキングな機械でした。
右は角のみ盤が見えますが、これはホゾ穴を掘る機械ですね。
この機械にもまたスゴイ!ヽ〔゚Д゚〕丿
向こうまち鑿で苦労して開けた穴が、あっという間ですからね。
でも今思いますが、正確さはともかく、鑿で手加工したほぞ穴のほうが全然きれいですね。

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↑手前は手押しカンナです。
基準になる平面をだして、直角もだします。
加工の基本基準をつくる機械なので重要です。
ちょっと小さいのですが、奥に見えるのがNCルーターです。
このNCルーターがまた嫌になるくらい素晴らしい機械なのです。
あらかじめプログラムされたデーターの通りに自動で削ってくれます。
プログラムを考えるのは大変なのですが一度メモリーしてしまえばあとは
ほぼ自動で機械が加工してくれます。量産も可能です。
好みが分かれるところでしょうが、それでも
NCルーターは素晴らしい技術だと思います。
その「加工スピード」や「精度」など大手家具メーカーが挙って導入しているのも納得です。
当時の話ですが(今はどうか知りません・・)
NCルーターのプログラムができれば一生食えるっていってましたが・・・
今時は?さぁ・・(笑)

全国展に向けて製作

カップボードの製作

卒業に向けてみんなは「全国展」の出品に向けて家具作りを始めました。
5人ほどでひとつのチームを作り、デザインも考え、自分たちで製作します。
出来上がった作品は勿論、発表展示します。
全国から沢山の作品が集まり、大勢の方が見に来られる展示会です。

これまで学んできた技能、知識を振り絞り、
時には先生に助けられながらなんとか展示会までこぎつけました。
途中。例えば加工に失敗したり、間違えたり・・・
そんなこともありましたが、とにかく自分たちの力で最後まで完成させた。
このことは大変に有意義であったと思います。
この経験をさせて頂いたことにとても感謝しています。
二度とできない体験でした。
カップボードの製作

カップボードの製作
框組構造になっています。
「ビスケットジョイント」も試してみましたよ。
今ではこのビスケットジョイントで板をはいだりすることは
ごく普通だと思いますが、当時は結構新鮮に感じました。

カップボード
↑は全国展での展示風景です。ちなみに私たちのチーム名は「ラメロ」でした。(まぁ・・どうでもいいんですが(笑)
これは使ったビスケットジョインターで有名なメーカーの名前です。
水屋
↑私たちのチームとは別ですが、同じ仲間の作品です。出来上がりを見て「いいじゃん!」と思っちゃいましたので紹介します。
水屋

水屋
どうですか!「水屋」です。素晴らしいです!
デザインも素敵じゃないですか・・・